Fermata in blue.

2004年2月29日 Reading
今までにこんなにも本を欲したことはなかったかもしれない。

村山由佳の『青のフェルマータ』。

先日の日記でちょっと書いてみたが、まだ触りの部分しか読んでなくて、その時は上辺しか分からなかったのだけれど。
こんなにも美しい話かと、これ程人を芸術的に描けるのかと。
正直身震いした。
色々得られるものがあった。
自分の存在についてや、音楽について、目に見えないもの、歯痒いもの。
全部ひっくるめて、海の青さに奪われる感覚が凄く気持ちいい。
『青』というコンセプトと『音楽』、『癒し』・・・滲み込むようにこんなにも自分と同化する話があったなんて今でも信じられない。一体となるものがあるなんて。
やはり人は太古の昔海から来たのだろうか。
それを今でもどこかで懐かしんでいるからなのだろうか。
今、酷く恋しい。
海と、風と、太陽と。

人という虚なる存在を一蹴する話。
もっと大事なものの話。
ちょっとだけ前を向けたような気がした。
それを読んでから行った楽団の練習。
自分で音が変わったような気がした。
あたしにもこんな音がだせるのか。
もっといい音で鳴るのかと思うと、"彼女"のように興奮する。
身震いが止まらない。
泣きそうになった。
でもそれは決して悪くない涙。
きっとそう、もっと好きになれる音を欲しているから。

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