星々は謳う。『汝の身を許すまじ』と。
風は鳴る。『汝の傷を癒すまじ』と。
海は囁く。『汝の悪事は洗うまじ』と。
神々は泣く。『汝の所業を許すまじ』と。



雨が―――降っていたような気がする。
自分の存在を責めるかのように、咎めの滝はこの身に打ちつけていた。
俯く瞳の端からは何もかもが灰色にしか映らなかった。通り過ぎる人間たちも中身の無い街の装飾も。
ただ確かに覚えているのは、纏った服が水を吸い次第に重くなっていったことだけ。
まるで戒めの鎖に絡め取られた罪人が如く、そのまま意識まで奪われていった。
視覚が最後に捕らえた映像は、一体なんだっただろうか…






いくつか書いている小説の冒頭部。
しばらくここに掲載して続けていこうかと。

お暇な方はお付き合い下さいませ。

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